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「ちょっと灰音、離せって！離せよ！」

「ちょっと美奈！やめろって！」

僕と純が喚くにもかかわらず女子4人に引きずられるようにつれていかれた。
体育館裏の更衣室に入ると、灰音が僕に3つ編みのかつらをかぶせてその上にヘッドドレスをかぶせた。
そして…

「はい、これ着て。」

渡されたのは黒いワンピースにフリルがたくさんついた白いエプロン。

「…。まさか灰音、僕にメイドの恰好をしろと…？」

「うん。」

「…。」

僕はいやいやながらも着替えさせられ、ステージに引っ張りだされた。
裏から灰音が言う。

「柊一っ、なんかセリフ！」

僕は一瞬何を言えばいいのか分からなかった。
ええいっ、こうなったら前にちらっと見かけた女の子のドラマの執事のセリフを少し変えて…！