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暗い少女は明るい少女?

第50章 紅い竜と蒼い光

「裏切り者。」

紅が悪意のこもった声で僕に言った。
顔からサーッと血の気が引いていくのが自分でも分かった。
次の瞬間、僕は紅を突き飛ばすようにして走ってその場を去っていた。
僕はただただショックだった。
裏切り者?僕が?
最低だ。

「北条?」

走っていた僕の手を掴んだのは今日、一緒にご飯を食べる約束をしていた桐原だった。

「どうした?今日、紅と3人でご飯食べようって…」

「…ゴメン。僕、パス。紅と2人で行ってくれ。あと、今は行かない方が良いかも。紅のとこ…」

「は?」

僕はキョトンとしている桐原をおいて学校を出た。
午後からは一般教養が1つあったが、授業に出る気はしなかった。
授業をサボったのは、はじめてだった。

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