テキストサイズ

暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「…止めます。それがお嬢様のためなら。しかし…」

「???」

クリスさんが俯く。

「本当にそうなった時、私はすみれお嬢様を止められる自信が無いです。」

「…そうですか。」

クリスさんはそう答えたけどティリンスさんはどうなんだろう?
クリスさんが僕が例に出したすみれに対して止められることが出来ないかもしれないというのはある意味、忠誠心が強い彼の性格をよく表していた。
ティリンスさんの百合に対する忠誠心がどれ程のものかは分からない。
しかし僕はティリンスさんには執事として正しいことをしてほしいと思った。
お嬢様の意に沿わなくてもお嬢様を正すのも執事の仕事の1つなのだから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ