えっちなたいいくのじかん
第6章 2じかんめ「じきゅうそう」
「と、いうことはだ、俺達の並々ならぬこの強壮な肉体と体力をもってしてプール裏に誰にもばれない様に速攻で待機し、待ち伏せすれば、だ。」
「……かよわいおんなのこを好き放題できるってのか!そいつは……すげえが、しかし怖くないのか、エンペラーヒロシ。」
「てめえ俺をだれだと思ってやがる、だてにエンペラーの称号は名乗ってねえよ!俺は何も恐れねえ!普段の借りをおんなどもに少し返してやらなきゃならねえだろ!」
「いや、でも、俺は、やめとくよ」例のおんなのこトイレ事件の後変に弱気になったアホのタヌマは、怖気ついて計画から離れた。
その後も熱心に俺は説得したが、タヌマに賛成する形で、残りの野郎どもも俺には着いてこないことになったのだった。畜生腰抜け野郎どもめ!
しょうがないから、俺は野郎どもにウシジマにはチクらないってことだけは約束させて、計画を1人で実行することに決めた。
ウシジマが用具室からスタートの合図のピストルを持ってきて、そら位置につけ、と命令する。男どもはだらだらラインを足で踏む。おんなのこたちは、後ろでスタート地点についたおとこのこたちのおしりなどを眺めていた。
「遅かったら次回の授業も持久走にするから気合入れて走れよ!はい、位置についてーよーい、どん(パン!)」
いよいよ出走。トップに躍り出たのは勿論俺1人。あとの連中はだらだらと仲良く一列になって走っている。おんなみたいな馴れ合いをしやがる連中め、本当にきんたまついてるのかよ。
持ち前の体力と根性で、県トップレベルのアスリートでも出せるか出せないかというペースを保ちプール裏へと近道。クローバーばっかり生えてる裏庭を教師連中に見つからないように駆けて、まあ4分程度で到着した。まだおんなのこ連中はスタートしてないだろうから、ゆっくり隠れる場所を吟味すっかな。
うむ、ざっと考えたところ、どうもプール裏のフェンスの、植木の下にでも潜っているのが一番安全らしい。俺は身をかがめて、地面に這い蹲るかたちで植木に身を収めた。体育着が泥でよごれちまうが、そんなことえっちに比べたらなんでもない。えっちなことが俺を待ちうけている限り、俺はどんな犠牲でも払うぜ。