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ハルカ

第5章 ~困惑~

1年ぶりの桐生斗真。

私の過去を知っている1人でもある。

あの頃は、本当に申し訳なかったと思っている。

松本さんにも森さんにも、そして斗真にも。 
まぁ、1番は政基さんだけど。

それでも、優しく見守ってくれた4人だった。



桐生『悠さん。まだこの店の2階に住んでるの?』

悠『うん。でも、そろそろ引っ越ししようか考える』

(大翔心中:そっ、そんな話聞いたことない!!)

桐生『そうなんだ。どこらへん?』

悠『まだ、決めてないよ。』

(ほっ…)

桐生『ご両親元気?』

悠『元気だよ~。実はね、兄が結婚するかもしれなくて、顔合わせがあるから、戻って来いって言われてるんだ。』

(そっ、そんな話も聞いてない…)

桐生『お兄さん結婚するんだ。おめでとう!』

悠『ありがと。しかも、授かり婚みたいなの!
いいなぁ~。
私も、赤ちゃん欲しいな~。』

(あっ、赤ちゃん!?)

桐生『悠さん、あれからお相手いないの?』

悠『お相手って…』

(俺は?…違うか。)

桐生『お相手居ないなら、俺なんてどう?』

悠『はっ?』

(はっ?)

桐生『あの頃は、弘基さん居たから諦めたけど、今はそうじゃないし。
どう?』

悠『いやいや。無理っしょ?』

(そうだ。お前には無理だ!)

桐生『そうかな?俺、悠さん好きだよ?
ねぇ。試してみない?
付き合う条件の5番目試してみない?』

悠『…/////!!!!』

(付き合う条件?そんなのあったの?)

桐生『ね?』

悠『あっ…』

パッコーン!!!!


政基『どさくさに紛れて悠を口説くな!お前にはやらん!!』

桐生『いってぇ~。何するんすか!?』

悠『政基さん。それ、トレンチ…』

政基『またか、お前は。お前にはやらん!』

桐生『別に、政基さんの許可なんていらないじゃないすか!?』



ダンッ!

大きな音に皆の視線が集まる。
さっきまで言い争いをしてた2人も音のしたほうに目を向ける。


そこには、大翔が立ち上がり、真っ直ぐ政さんを見ていた。

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