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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第1章 「夏祭り」 火神×黒子

イカ焼きの屋台に着くと、2人は注文を始める。


「へい、らっしゃい!」

屋台の叔父ちゃんがとびっきりの元気と笑顔で呼び込みをする。

イカ焼きも1本80円で、とても手軽だ。


「火神君、何本食べますか?」

マジバでも凄い量のハンバーガーを食べる程なので、何本食べるのか予測が出来ない。



「1本でいいぜ」

そんな火神の口から出てきたのは、黒子が食べようと思っていたイカ焼きの数と同じだった。


「え、いいんですか?足りないんじゃ…」

「いーんだって」


いいと言うものだから、2人分の2本を頼む。


「2本ください」

「へい、まいど!」


「さっきのお礼に俺が出してもいいか?」

「じゃあ、お言葉に甘えて」


難無く会計を済ませると、1本ずつ手に持つ。



「ほら」

火神から左手が差し出される。



「…手、離したくねぇから」

「え…?」

「ん」


黒子は差し出された手を握る。

「有難うございます、火神君」


そっぽを向いて赤くなっている火神に微笑みを向ける。

だから、1本だったんだ…と黒子は思うと、どうしようもなく火神が可愛く思えた。


「どうってことねぇよ」


2人とも顔が赤くなり、一気に場がしんと静まる。


でも、無言が苦しくない。


むしろ、この手を一生離したくない、と2人は密かに同じ想いを持っていた。

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