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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第2章 「俺が君を溺愛するお話」 高尾×緑間

真ちゃんは、練習が終わってもまだ時間があると言うので、放課後の教室で長居する。

2人になると真ちゃんは黙りしてしまう。


何を考えているのかなー、と思っていると、真ちゃんが熊のぬいぐるみを収め始めた。

ガサゴソと持ってきたランドセルの中に手を入れて、何かを探しているようだ。


「あった」



連絡袋から折り紙で折った花を取り出す。

チューリップかな。


「.......」

尚も言葉を口にすることはなく、真ちゃんは、筆箱を取り出し、その花に何かを書き始めた。


真ちゃんは鉛筆を止めた。書き終わったのかな。

「これ、おまえにやるのだよ」

その何か書いた折り紙の花を俺に渡して来た。


何かわからずその花を見ると、少し焦った字で'月がきれいですね'と書いてあった。


「…え?まだ夕方っしょ」

「ばかか、いみをさっしろ!」


…あ、そういえば聞いたことがある。

「好き」を「月が綺麗ですね」と置き換えた人がいるんだよな。


「こんな言葉、どこで覚えたの?」

クスクスと笑いながら問いかけた。

「きょう、がっこうでせんせいにおしえてもらったのだよ」

「そーなんだ」

真っ赤な真ちゃんが可愛過ぎて、自然と笑みが漏れる。


「ありがと、真ちゃん」

自分よりも大分小さな身体をふわりと抱きしめた。

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