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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第2章 「俺が君を溺愛するお話」 高尾×緑間

「それで、高尾。ぶかつはどうした?」

「あっ‼」


高尾は、自分が部活を抜け出して来たことに気が付くと、冷や汗を流し始めた。


「もどんなきゃ!真ちゃんも!」

高尾は、緑間の手を引いて走り出した。


「とんだとばっちりなのだよ…っ」

すごいスピードで走る。


それでも、緑間は嬉しかった。

高尾が必死に自分を捜していてくれたのだと思うと、胸が熱くなって冷めなかった。


このオレンジの風船、高尾が見つけてくれた風船。

本当に'ラッキー'アイテムだな、と緑間は思う。



緑間が気が付くと、体育館の中にいて、必死に高尾が謝っていた。


「すみません!」

緑間は自分のせいなのに謝ってくれている高尾の背中を見詰めて、罪悪感を募らせていた。


「あの…」


少し大きい声を出すと、周囲の視線が緑間へ行く。

「おれが、ラッキーアイテムをなくしてしまったのがいけなかったんです。高尾はわるくないから、ゆるしてやってください」


深々と礼をする。


「真ちゃん…」


数秒の沈黙のあと、先輩たちの声がしてきた。


「ははっ、そうだったのか。高尾、悪かったな」

「あ、ありがとうございます」


2人でぺこりと礼をする。


顔を上げると、高尾と目が合う。

にこっと笑顔を向けてくれた。



「じゃ、今日も見てってな、真ちゃん」

「しっかりみておくのだよ」


そしていつものようにマットの上に腰を下ろす。



今日の部活をしている高尾は、いつもより一段と格好良く見えた。

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