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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第5章 「お泊まり」 黄瀬×赤司

う…胸の奥が痒い。

緊張する…。



「赤司っち、大丈夫?顔真っ赤だよ?」


「え?あっ…だ、大丈夫」


気づかれちゃった。


確かに、今の僕は恥ずかしいくらい顔が真っ赤だと思う。


大袈裟だよね、好きな人が目の前にいるだけで顔が赤くなっちゃうなんて。


今僕は軽く千鳥足だ。




「…あ、ここ、赤司っちの部屋だ。懐かしいっスね〜」


中学以来だっけ。


「そういえばそうだね。入る?」


「うん」


涼太がはにかむ。


僕はその笑顔を見ただけで、切ない気持ちになる。




ガチャリ


扉が開かれる。


「わぁ!綺麗っスね。俺の部屋と比べ物にならないっスよ」


「でも、僕は…涼太の部屋の方が好き」


「なんで?」


だって……


「この部屋は、寂しくなるんだ。広くて、静かで。だから僕、この部屋にいると泣きそうに……」


って、あっ!

何言っちゃってるんだろ。


と思ったら、涼太に抱き締められた。


「涼太…?」


「赤司っち…っ」


大丈夫、僕は寂しくない。


涼太がいるから、寂しくない。


「俺がいるっスよ…。いつでも電話とかメールして?仕事中でもいいから」


「ありがとう…僕、涼太がいるから、さみしくなんか…ない」


孤独じゃないから。


僕は笑う。


好きな人と共に。


「ね、赤司っち。泣いてないで、笑おうよ」


「僕は笑ってる。涼太こそ、泣かないで、笑ったらどうだ?」


「嘘ついちゃ駄目っスよ!」


「涼太こそ」


「…うーっ…そろそろ部屋入ろっ」


あ、誤魔化したなっ。


「この続きは中でしっかりさせてもらうよ」


「わ、わかってるっス!」


少し、緊張が解れた。

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