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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第5章 「お泊まり」 黄瀬×赤司

「あ、赤司っち」

「なに?涼太」


涼太がガサゴソと、持ってきた鞄を漁っていた。


ん…?どうしたんだろう。



「あっ、これだ!」



涼太が何かを見つけて、取り出す。


そして僕に見せた。


……なに?これ。


「これ、なに?」


「飴っスよ。舐める?」


「何味なの?」


包みには何味だとか、どういう飴だとか、そういうことが書いてなかった。

おいしいのかな…?

おいしいなら食べたいけど。


だって飴は好きだもん。

涼太がくれるなら、尚更。



「あー…それはスね、食べてからのお楽しみっ」


「おいしい?」


「もちろん!」


「じゃ、食べる。涼太…あーんして?」


僕は、目を瞑って口を開けた。

「あーん」をせがむと、いつも涼太は優しく食べさせてくれる。


だから今日も、きっと。



そう思っていた。


「ん…っ!」


だけど、今日口に入ってきたのは、指と飴ではなかった。


生温かい涼太の舌と、妙に甘ったるい飴。


「りょ…たっ」

「あ…かし…っち…」


口から涼太と僕の唾液が溢れて、つーっと零れた。



飴は今、僕の口の中にある。


すると案の定、涼太の唇は離れていった。


「…ね、おいしいでしょ?」


涼太がいつもより僕を惹きつける大人びた笑顔で、口元をぺろりと舐めながら言う。


その美しさに、顔が赤くなった。



「だ、だからってあんなことしなくなって…!」


「嫌だった?」

涼太がしゅんとする。


…ずるい。


僕はそう言われると何も言えないのを、涼太は知ってるんだ。

好きだから、涼太がすることを否定できないことも。


「…嫌、じゃない、けど」


「ふふっ、よかった〜!」


赤くなって下を向いた。


その時、何か異変に気がついた。


…あれ?

何か変だ。


身体が……むず痒い。


涼太の声が聞こえると、耳がぞくっとして、たまらない。

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