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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第5章 「お泊まり」 黄瀬×赤司

「そうだ。涼太」


僕はあることを思い出して、涼太の腕の中で話し掛ける。


「なに、赤司っち」

「夜ご飯、どうするの?…僕、料理はできないんだ」


手料理の一つや二つ作れたらいいのに、僕は料理をしたことがない。


家庭科でする調理実習だけはやったことあるけど、殆ど女子にまかせたから…。


「俺が料理は担当するっス。今の赤司っちじゃ手元狂いそうだしね」


涼太がにやっと笑う。


う…そうだった。

こんな、薬を飲んだ状態で料理なんかしたら、僕大変なことになっちゃう。


「じゃあ…任せる。キッチンと食材は、自由に使っていい」


「了解っス。何ができるか楽しみにしておいてっ」


「気になるな、なんだろう」


カレー?

シチュー?


ううん…?


涼太が作る料理ならなんでもいいか。


「じゃ、作ってくるね」


僕が考えていると、涼太が僕から離れて立ち上がる。


やだ…寂しい。


「ま、待って。僕もキッチンで見てるから」


涼太と離れるのだけは嫌だから、僕はキッチンで見ていることにした。


僕も立ち上がって、涼太の腕にしがみつく。



「今日の赤司っちは甘えん坊さんだね」


「う、うるさい」


「はいはいっ。ほら、キッチン行くっスよ!」


なんか流された気が。


だけど、涼太の手料理、楽しみ。



身体の違和感が無ければ、普通に楽しいのに…


そう思いながら、キッチンへと向かう。

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