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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第1章 「夏祭り」 火神×黒子

午後3時50分。

予定より早く集合場所である神社に駆けつけると、火神は既に来ていた。


「火神君!」

手を振りながら近付くと、幸い気がついてくれた。


「おー、来たか」

いつもの笑顔で迎えてくれる火神に、少し照れてしまう。



「行きましょうか」


照れ隠しの為に、そう言って先に歩き出すと、何かに手首を掴まれた。

「待てよ」

火神はそう言うと、無言で手を握った。


「…なっ」

ぼっ、と火がついたように顔が赤くなるのを感じた。

後ろを振り返ると火神も同じで、頬が少し火照っている。


黒子も握り返すと、火神は嬉しそうに口元を緩ませた。


「どこ行きたい?」

「そうですね…。ちょっと屋台を見て回りたいです」

「んじゃ、そうするか」




屋台を見るふりをしながら、チラチラと火神の様子を伺うと、まだ少し顔が赤い。

やはり意識しているのかな、と思うと嬉しくて腕に抱き付いて見せる。


「なにしてんだよ」

「別に、抱き付いてるだけです。嫌ですか?」


「…べっつに」



本当に、嬉しくて、幸せで堪らない。

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