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【黒バス】「短編集です。」【腐向け】

第1章 「夏祭り」 火神×黒子

少し歩いて行くと、どこからか聞き慣れた声が聞こえてきた。


「真ちゃん、次どれ?」

「あれを頼むのだよっ!」

「承知なのだよっ」


声が聞こえる方へ目を向けると、そこには秀徳高校の高尾と緑間がいた。

何をしているのかと目を凝らして見てみると、高尾が射的コーナーで景品を撃ち落としていた。それも凄い数を。

その景品を腕いっぱいに抱きかかえた緑間は、次はあれを頼む、と景品を指差していた。


「すごい目立ってますね」

黒子は遠目から2人を眺めて火神に話し掛けた。

「そりゃな。でかい男子高校生2人が射的コーナー占領してんだぜ、当たり前だ」


射的コーナーの景品は既にもう無くなりかけており、店の人が焦っているのが見てわかる。


「火神君は、射的できるんですか?」

「あんまやったことねーからわかんね」



「…僕、やってみようかな」

黒子はぽつりと呟く。

「え?」


繋いでいる手をしっかりと握って、射的コーナーを見つめる。

そのまま火神を引っ張って緑間たちを囲む人集りを避け、店員の元へと進む。


「あの、1回やりたいんですけど」

「もう景品が…あんまりないんですが、それでもいいなら」

「全然大丈夫です」


火神も黒子の気迫に圧され、渋々と緑間たちの隣へと足を運んだ。

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