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妄想でいず、暴走中。

第2章 矢浪蓮、暴走。

いや、ノートがないことに気づいたら取りにくるだろう、絶対に。

「どーすっかな…」

俺は教卓に座って教室を見渡しながら考えた。日向が来たら、何て言おう。

とりあえず、ノートを忘れてたってことを伝えて…、中身見たことは謝るべきなのか…?

いや、ここは見なかったことにするべきか…?


ぐるぐる考えを巡らせていると、廊下の方からぱたぱたと誰かが走ってくる音がする。多分日向だ。


教室の扉を勢いよく開けるなり、日向は俺の顔を見てひどく驚いた。あぁ、可愛い。じゃなくて。

ノートのこと言わないと。


「日向さん、随分急いでたみたいだけど、何か忘れ物?」


ノートだよ!!!
思わず心の中で自分に自分でノリつっこみしてしまった。


随分周りくどい言い方をしてしまった。何が「何か忘れ物?」だ。ノートに決まってるだろう。


日向ははっとして自分の席に向かう。ごめん日向。君の探しているものは俺の手の中だ。


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