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妄想でいず、暴走中。

第4章 はじめての、デート。


待ち合わせは駅の時計の下。

矢浪君らしき人をすぐに発見した。矢浪君、もう来てる。待たせちゃった…!


「ごめんっ矢浪君、おまたせっ…!」


走って矢浪君のもとにかけよろとしたら、足がもつれ、バランスを崩してしまった。

こける…!衝撃に備えてぎゅっと目をつぶった。ぽふ。

堅いアスファルトではなく、温かい感触。いい匂いに包まれる。


「ふぇ…?」


顔をあげると、驚いたような困ったような微妙な表情の矢浪君。
そう、私は矢浪君に抱き止められていた。


「ひゃあぁ!?ご、ごめん矢浪君!」

ばっと勢いよく矢浪君から離れる。顔、熱い…!


「まったく…日向はあぶなかっかしいなあ」


顔を背け、口を手で覆いながら矢浪君が呆れたように言う。

「うぅ…ごめんなさい…。」


この時、矢浪君も私と同じように耳まで真っ赤になっていたことに、私は気がつかなかった。

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