
妄想でいず、暴走中。
第4章 はじめての、デート。
時計の下で日向を待つ。
日向と待ち合わせして、日向を待っているというこの状況に少し泣きそうになる。
ずっと想いを寄せてきた日向を、俺は今待っているんだ。
ああ、神様ありがとうございます。
待ち合わせ時間の15分前に日向は現れた。
ぱたぱたと走ってくる日向。
…やばい、めちゃくちゃかわいい。日向はいつもかわいいけど、いつもの何割増しかかわいい。天使かと思った。
俺との距離あと数メートルというところで日向は躓いた。
とっさに抱き止めた時に触れた日向の肌は柔らかくて、シャンプーのいい香りがして、くらっとした。
「日向は危なっかしいなあ」
平静を装ってそう言うのが精一杯で、紅い顔を日向に見られないようにするのに必死だった。
