
妄想でいず、暴走中。
第4章 はじめての、デート。
「いやほら…ノートにいつも書いてたから。」
俺に見つかって以来、日向が学校にノートを持ってくることはなかったが、なんとなく気になっていた。
「あはは…そうだったね、矢浪君に見られちゃったんだったね…」
日向が顔を紅くして苦笑いする。ちょっと罪悪感。
「えっとね…妄想は好きだけど、初めは現実逃避だったかな。」
「現実逃避?」
「うん、私ね、ちっちゃい頃から人見知りで、特に男の子が苦手で。苦手っていうより、恥ずかしくて。」
それは日向をずっと見てきたから分かる。
「話すとすぐ顔紅くなっゃうし…、小学生のときはよくそれでからかわれたりもしたんだぁ。」
「そうだったんだ…」
「うん、で、からかわれるのが嫌で、男の子がもっと苦手になっちゃって。でも中学に入ると、みんな普通に恋とかしてて、羨ましくて。いいなぁ、わたしも恋したいなぁ、でも私じゃ無理だなぁって、それで気が付いたら妄想するようになってたの。」
