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妄想でいず、暴走中。

第2章 矢浪蓮、暴走。

親友の俊介には、「ストーカーみたいで気持ち悪い」と言われたが、そんなことどうだってよかった。

俺は日向の姿を見ているだけで幸せだった。
男が苦手な日向と無理に仲良くなろうとするのはなかなか困難だろうし、観察できればそれでいいんだ。
決して俺がヘタレという訳ではなく。


そんな日向と二年になって同じクラスになった。
これほど神に感謝する日が来るとは思っていなかった。

もしかしたら日向と喋れるチャンスがあるかもしれないと、やりたくもない学級委員に立候補した。

クラスのみんなに意見を聞くときとか・・・運がよかったら日向と喋れるかもしれない。

後で気づいたが、日向は人前で意見を言うようなタイプではないので、「学級委員」という立場を利用した日向との会話イベントは一度も生まれなかった。

くそ、学級委員なんてやるんじゃなかった。

二年生になってもう一月も経つが、日向と喋ったことは一度もなかった。


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