テキストサイズ

壊れた御守り

第2章 出会いと異変

『慶ちゃんっ今日男子の体育は野球なんでしょ?』


『あー。確かそんなんだったかな』


いつもと変わらない1日の始まりだった。


いつものように俺の側にくる麻美。


そしてそれに応える俺。


なんの変哲もない会話。


いつもどうりだったはずだった。


『いいなぁ。野球』


『女子は持久走だっけか?ご愁傷様』


『んー。どうせサボるからそっちまざりたい』


『はぁ?何言ってんだ?真面目にやれ。ばーか』


『出た。性格悪魔くん』



『うっせぇ』


特別良い天気だったわけでもなく、
かと言って悪くもない。


なのに…





『慶太。浅野、こっち見てるぞ?』


見ると麻美が大きく手を振っていた。


いつもの調子で。


『浅野ってお前といるとき、超かわいいのな』


『はぁ?…んだそれ。別にいつもと同じだわ』


『…わかってないねぇ、お前』


分かってないのはお前だ。健太。


俺といるとき“だけ”じゃねぇ。


あいつはいつだってかわいいんだってこと、


分かってないのはお前だよ…。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ