壊れた御守り
第12章 土下座
そんななか、事は起こった。
「麻美!?」
旅行先の病院に、麻美は運ばれた。
病院には北條が駆けつけていて、俺は北條の前に出た。
「おい、麻美のやつ大丈夫なのか!?」
「君は…小南くん?」
北條はびっくりしたように俺を見ていた。
「どうした?見ないと思ったら、久しぶりだな。
まさか君がまた無茶をさせたんじゃ…」
「違ぇよ!」
なんでだ?
なんで麻美は発作なんか…
担任の話だと、最近は調子がいいからっていうことで
修学旅行に来れたんじゃないのかよ…。
なぁ、麻美。
お前は一体、何を無茶したんだよ?
北條が俺を見据えて言った。
「今はもう大丈夫だ。だが-」
なんだよ。なんなんだよ。
俺は北條を見た。
北條はゆっくり口を開いた。
「旅行はもう無理だ。今すぐにでも帰って安静にしたほうが身のためだ」
「え…」
「彼女にそう言ったら、帰らないってきかなくてね。
今は病室で寝ているが、困ったものだよ。ここに俺はずっといられないしね」
北條はため息をついて出て行ってしまった。