壊れた御守り
第13章 殴られた痛み
すっげぇ…。
こんな人気のない楽な場所あったんだ。
近くにあったベンチに腰掛ける。
健太が鼻をすすって口を開いた。
「なぁ、慶太」
「なんだよ」
「お前、最近また落ち着いてきたな」
「はぁ?なんだよそれ」
「浅野と何かあったのか?」
健太の言葉に、俺は一瞬おし黙った。
不覚にも、反応してしまった自分が情けない。
「別に。なんもねぇよ。なんで?」
「だって…なんかお前変だし」
「なんなんだよ。荒れてた時にも人のことおかしいやつ呼ばわりして
大人しくなっても変って…じゃあ何が普通か教えてくれよ」
早口でそう言うと、健太がびっくりしたように俺を見て、
目を伏せて口を開いた。
「浅野、終業式の日に俺のとこに来たんだ」
「は?」
なんで?
なんで麻美が健太のとこに?
俺が黙っていると、健太はポケットから何かを取り出した。
「健太…それなんだよ」
「お前に」
「なんだよ。なんでお前から俺に?気色悪ぃなぁ」
「そうじゃなくて…
…浅野から」
「えっ…?」