壊れた御守り
第13章 殴られた痛み
「俺が何をわかってないって?」
健太を睨みつけると、健太は俺をじっと見据えていた。
「お前、浅野を傷つけるからって理由で離れてるっていうわけ?」
「だから、さっきそう言ったろ!?
俺はあいつのそばにいちゃいけないんだって!!」
「お前本当にそう思ってんのか?」
「そうだよ!!」
俺らの言い合いがしばらく続いた。
その声が、この空間を張り詰めさせる。
健太は眉間に皺を寄せて俺を見た。
なんで健太はそんなに怒るんだよ。
健太、麻美のこと好きなんじゃねぇの?
意味わかんねぇ…。
「俺が引くっつってんだ。健太はそれでラッキーじゃねぇか。邪魔な俺がいねぇんだし。
なんで俺に突っかかるんだよ!?」
「ふざけんなよ。お前…」
「は…?」
小さく呟いた健太の声が耳に届くか届かないかの狭間、
俺の頬に鋭い衝撃が走った。