壊れた御守り
第13章 殴られた痛み
「なん…で……だって俺、あいつと何にも関わってねぇのに…」
そっと呟く俺。
そうだ。
何にも関わってないはずなのに…。
なんで俺が傷つけてることになるんだよ?
健太は震える拳を抑えて俺をじっと見据えた。
「それが傷つけてるってんだろ!!なんで浅野の気持ちがわかんねぇんだよ」
「は?」
「ほんとに浅野のことを思ってるなら、浅野のそばにいてやれよ…」
弱々しく健太は俺に言った。
健太…。
だめなんだよ。俺は。
お前は病気を知らねぇから…。
俺がそばにいたら、麻美が手術を拒んでしまうんだ。
だから、だめなんだよ。
俺はそばにいちゃいけないんだって…。
「無理だ…。健太。俺、それでもあいつのそばには…
いられない…」
最後まで言い切れなくて、声が小さくなっていく。
健太が唇をかみしめて俺を睨んだ。