壊れた御守り
第14章 Happy birthday
「私、本気だよ?」
「え?」
凌華がぽつりと話し始めた。
「喋ったのはついこの間だけど、私、もっと前から慶太くんのこと、知ってたの」
「はぁ?知ってたって…」
「体育祭の時期にね、私にあまりにもあなたの話をするから、学校に様子を見にきたらあなたがいて、」
凌華は続けた。
「怪我してるのに一生懸命、走ってるとこ見て、すぐ一目惚れだったの」
体育祭…。
麻美と、初めて参加した体育祭。
一生懸命って…
あれは麻美のためっていうかなんていうか…
凌華は俺を見つめた。
大きな瞳でじっと見据えられるとそらせなくなる。
俺は黙って次の言葉を待つ。
凌華はそれがわかったように目を閉じて口を開いた。
「ねぇ、慶太くん。あの子は健太のものになっちゃうんだよ?」
「は…?」
「だったら、私と付き合ってよ」