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壊れた御守り

第3章 麻美の病気



『浅野…』


病室に入ると、麻美は起きていて


点滴をじっと見つめていた。



『慶ちゃん…?びっくりしたー』



そう言って明るく笑う麻美はどこか不自然だった。



『浅野…なんで…』


“なんで”?


俺はこの先、何を言おうとしてんだ?



『慶ちゃん、ここにいるってことは気付いちゃった?』



『…………』



『あたしね、病気なの』



『浅野……』




そう言ってこっちを見た麻美の顔はびっくりするぐらい明るかった。






『冠動脈狭窄症………って知ってる?』



麻美はぽつりと話し始めた。



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