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壊れた御守り

第3章 麻美の病気

冠動脈狭窄症。



虚血性心疾患の症状の1つ。



麻美の背負ってるものは、



俺が思っているよりずっと重かったんだ。



そんな話、したくないはず。



なのに麻美は、いつもと変わらない笑顔で



いたずらっぽく話すんだ。




『あたしね、あと1年しか生きられないんだって』



『浅野…もう…』



『天涯孤独のあたしは、誰にも知られずに、きっともう少しで…-』






『麻美…っ!!』







『慶…ちゃん?』







気付くと俺は、麻美を抱きしめてた。




『もう、……もういいよ』




誰にも言わなかった大事なこと、



どうして俺に話してくれたんだ?




興味本位で近づいてた俺に、




麻美は真剣に、打ち明けてくれた。



それが何よりも嬉しかった。




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