テキストサイズ

壊れた御守り

第15章 凌華の涙



その薄暗い森に、凌華はいた。



ひときわ小さい木の下に寄りかかるように座っていた。



「長嶋!!」



俺が呼ぶと、凌華は弱々しく顔をあげた。



「慶太くん…」



「やっと見つけた。こんなとこで何してんだよ。帰るぞ。ほら」



俺が凌華の手をとると、凌華はその手を払った。



「長嶋?」



「帰りたくない…」



「親が心配すんだろ!!いいから一旦戻って…」





「親なんていないよ…」



「は…?」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ