壊れた御守り
第15章 凌華の涙
「おい、長嶋…?どうした?」
「いやっ!!さわらないでっ…」
急に体を強ばらせた凌華の肩に触れようと手を伸ばすとすると
凌華は叫んだ。
何?
触ったらだめなのか?
「悪ぃ…」
咄嗟に謝ると、凌華は我に返ったように俺を見上げた。
「ご…めんなさい…。違うの。私…私…」
「わかったから、落ち着け。もういいから。な?」
明らかに動揺している凌華を宥めると
凌華は顔を曇らせてうつむいた。
「とりあえず、お前の家に行こう。親…じゃなくて…っ誰かいるのか?」
「遠縁の親戚のおじさん…」
凌華は俺の問いかけに答えた。
おじさんか…。
2人で暮らしてんのかな?
「そか…。よし、立てるか?」
凌華の手をとって力を入れると、足を崩して座り込んでしまった。
動揺して、腰抜かしたかな?
俺は凌華の前に回り込んでしゃがんだ。
「ほら。乗って」
「慶太くん…?」
「いーから。立てないんだろ?乗れよ」
俺がそう言うと、凌華はしばらく黙り込んでから
ゆっくり俺の背中に体を預けた。