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壊れた御守り

第15章 凌華の涙



「凌華、何してる?そんな男いつから知り合いになったんだ?」



おじさんは静かな落ち着いた声でそう問いただした。



凌華は体を堅くして震えた。



「おい、凌華。答えなさい。良い子だろ?な?いつもみたいに俺に言ってみなさい」



「ごめ…なさ……」


「すいません。凌華さん、怖がってるんで、とりあえず出ててもらえますか?」


俺が落ち着きをはらってそう言うと、おじさんは俺たちに一歩近づいた。



俺は後ろにそっと凌華を庇うように体勢を直した。



「何だと?お前、身内の俺に意見するな。俺は凌華の保護者なんだ。口を挟まないでもらいたいな」



はぁ?




「身内?じゃあ何で凌華がこんなに怯えてんだよ?てめぇが何かしたからじゃねぇの!?」




我慢の限界で。



敬語なんて使ってられなくて




俺はおじさんを睨みつけた。




こいつ、絶対何かある。



何かを隠してる。



そう思ったら、もう止まんなかったんだ。





「凌華、立てるか?」



俺は凌華にそっと話しかけた。



凌華は首を横に振った。



やっぱ無理か…。



やっぱ、強行突破しかねぇ!!





そう思った瞬間、俺はおじさんの前に飛び出していた。




ガツンと、鈍い音がして



おじさんが壁に身体をぶつけた。



「行くぞ!!」



「え…?」



おじさんが倒れている隙に、俺は凌華をおぶって階段を駆け降りた。





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