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壊れた御守り

第16章 麻美と凌華



「彼女には…人の苦しみがわかるんだと思うの」



凌華はぽつりと言った。



そうだ。



あいつはいつだってそうだ。



自分は後回しで、いつも周りの人のためにニコニコしてるんだ。



気分を軽くしようと、相手を元気づけようとしてるんだ。



現に、俺もそんな麻美に助けられてきた。



そんな麻美が、凌華を支えたんだな。



おじさんのことで、身も心も限界だった凌華を



病室で一緒にいる少しの間だけ



嫌なことを忘れさせたんだ。



「私、彼女にお礼をいいたい」

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