壊れた御守り
第16章 麻美と凌華
「慶ちゃん…!?」
病室に入ると、麻美はぱっと顔をあげた。
久しぶりの、病室にいる麻美。
俺は挨拶をして、入りにくそうにもじもじしている凌華に
病室に入るように促した。
「あれ…?その子…」
麻美は凌華に気づいてびっくりしたように目を見開いた。
そして、そのあとすぐに静かに笑った。
「こんにちは」
「あ…麻美ちゃん…だよね?」
凌華がゆっくりと話し始めた。
麻美は笑顔で頷くと、体を起こした。
「前に一緒の病室だったよね?えっと…」
「凌華!長嶋凌華」
「凌華ちゃん。体はもう良くなった?」
覚えてる。
麻美は、凌華のことを覚えてたんだ。
2人は前からの親友のように笑いあう。
良かった。
凌華にも
麻美にも。
お互いにとっての良い出会いができて良かったよ。
正直、麻美には女の子の親友がいたほうがいいと思ってたから。
「麻美、今日は用事もあるからこれで帰るけど、また明日くるから…」
だから、明日…
改めてきいて欲しいんだ。
俺の思いをさ。