壊れた御守り
第17章 人を助ける手
「何したって…俺は凌華の保護者だ。あいつが嫌な思いをしないように、傷つかないように守ってやるのが俺の役目だ」
「それ…本気で言ってんのか?」
保護者?
傷つかないように守ってやるのが役目?
何言ってんだ?こいつ…。
俺は拳を握りしめておじさんを睨んだ。
相手も負けじと睨み返す。
高校生の俺とはどこか違う、大人ならではの凄みと支配感があった。
「それ以外に何があるって言うんだ?」
「ふざけんなよてめぇ!!」
情けねぇよな。
口で説得出来ねぇからって
ついつい手が出る癖…。
でもさ、しょうがねぇじゃん。
こいつ、最低だ。
「…っ暴力で押し通そうとするところ…やっぱり高校生のガキなだけあるな。それで相手が怯むと思ってる」
「うるせぇ!!黙れよ!!何が保護者だ。何が傷つかないようにだよ!?守る?ふざけんじゃねぇ。
傷つけてんのはてめぇだよ!!」
思えば、最近で一番本気の拳だったかもしれない。
自分でも抑えられないほど腹が立っていたんだ。