壊れた御守り
第17章 人を助ける手
俺、女じゃねぇから。
目の前のこいつと同じ、男だから。
だから、凌華の受けた傷の痛みは
全部は理解してあげらんねぇ。
だけどこれだけはわかるんだ。
殴られるよりも響く痛みだってこと。
気にすんなとか
そのうち元に戻るからとか
そんな安易な言葉なんてかけらんないほど大きいことなんだって。
だからさ、今ここで頬を押さえるこいつはさ、
殴っても殴っても。
どれだけ本気で殴っても
足りないって思うんだ。
殺してやりたいと願うほどに。
それほど許せないと思うのは俺だけなのかな…?