壊れた御守り
第17章 人を助ける手
「麻美…」
俺は振り返って麻美を見た。
酷く傷ついたような、悲しい目で
麻美は俺をじっと見つめていた。
「凌華ちゃんから聞いたの…。慶ちゃんが帰って来ないって」
「え…!?」
「健太くんも、凌華ちゃんも今外にいるよ?」
じゃあ、
凌華も健太も…
この状況を理解してるってことか?
「ね、戻ろう?」
「麻美…。でも俺は…っ!!」
凌華を傷付けたこいつが許せないだけなんだよ。
そう言いたかった。
俺が言い出す前に、麻美の大きな声がそれを遮った。
「慶ちゃんがする事じゃないでしょ!?」
「え…?」