壊れた御守り
第18章 家族
「あーあ。健太寝やがったよ」
あれからわいわい騒いでいた俺らはだんだん疲れてきて
健太はそのまま俺の ベッドで爆睡し始めた。
呆れて健太を見下ろすと
その隣で麻美も眠っていた。
なんだよ。麻美まで。
つぅか、健太と何気に近いって!!
ため息をついてちらっと目を逸らすと、凌華が荷物を整理してるのが見えた。
「なぁ。長嶋。」
「え?あ…2人とも寝ちゃったね」
凌華はニコニコしてそう言った。
散らかったテーブルの上を何気なく整理する。
さすが女の子らしいってか
女子力高ぇっつうか…。
「俺、麻美を病院まで送ってくからさ、健太見ててやってよ」
俺は麻美を起こさないようにそっと背中にのせた。
「いいなぁ。麻美ちゃん。そんな素敵な彼氏がいて」
「彼…っ!!そんなんじゃねぇよ!?俺はただ…」
彼氏…かぁ。
俺ら、付き合ってはないんだよな?
ただ、互いに好きだっていうことは知ったけど
だからって彼氏彼女なわけじゃねぇし…。
俺がじっと考えていると
凌華は悲しそうに笑って呟いた。
「私も…誰かに愛されたい」
「え?」