壊れた御守り
第19章 再出発
「笑うなよ!!ムカつくなぁ」
「ごめんごめん。なんか可愛くて」
「はぁ?お前、ぶん殴るぞ」
そんな冗談をいいながら2人で笑う。
俺が笑うと、健太はさっきとは打って変わって真面目で真剣な表情になった。
「健太…?」
「慶太。あのさ…」
言いにくそうな健太を見て、俺は健太から目を逸らし、前をまっすぐ見た。
「はぁ。ほら、なんだよ。いつでもどーぞ」
「え…」
「アイス溶けるだろ。早くくれ。どうせなんか話があるんだろ?」
健太は、誤魔化せてたつもりなんだろうか。
どうしてわかった?って感じの声を発した。
俺が健太を見ずに手を差し出すと、冷たい感触が伝わった。
んで、そっからのパピコかよ…。しかも片側。
健太が買うのは決まってパピコ。
半分ずつとか、彼氏彼女だろーが。
俺は受け取ったアイスを眺めながら次の言葉を待った。