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壊れた御守り

第4章 心配

教室に着くと、みんなが麻美を見た。



最初は黙って見つめるだけで、



しばらくするとみんなざわつき始める。



麻美は唇を噛みしめてるように見えた。



「おら!なんだよお前ら。邪魔だよ、邪魔。さっさとどけよ」



俺はわざと大きな声を出した。



俺ってそんな怖いか?



みんな一瞬で黙って道を作った。



「麻美、麻美の席、俺の隣だから。ほら」




麻美の手を引いて席まで歩く。



クラスの奴らはみんな黙って俺らを交互に見つめた。



やめろ。そんな好奇な目を向けるな。




お前らがそんな目をして、



麻美がまた作り笑いを始めたらどうすんだよ。



俺が麻美を見ると、麻美は俺に気付いてにっこり笑った。





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