壊れた御守り
第5章 麻美のバトン
クラス対抗リレーっていうのは、体育祭の一番の目玉競技で、
気付くと午前中よりも人がわらわら集まっていた。
うわー。
この感じ…
やなんだよね…。
女子が男子を眺めてはキャーキャー騒ぎ、
男子が女子をチラ見してはひそひそと…。
うるせぇやつらだよな。ほんと。
「おいっ!!小南、早く来いよ!!」
潤平が呼んでる…。
ため息をついて、俺は立ち上がった。
「…まっ頑張るしかねぇなぁ」
「あぁ?なんだぁ。やる気が感じられないぞ!?死ぬ気で走れよ」
あーそう。
“死ぬ気”ね。
人ってそんなに“死ぬ気”になんてなれねぇもんだよ?
「小南…?」
「だーもー!わかったから。大声出すなよ」
潤平、健太よりもめんどくせぇ…。
「おーい、慶ちゃん?」
「…………」
こいつはまた、噂をすると必ず来るんだよなぁ…。
「健太、一発だけいい?」
「やめろよ。大事な顔なんだからさ」
「そんなん、傷できても綺麗でもかわんねぇよ」
「ひっでぇよなぁ。毎回毎回。なんだっけか?……“なんとか悪魔くん”だっけ?」
「だぁほ。いい加減にしろ。お前もリレー出るなら早く向こう行けよ」
健太が楽しそうに俺を見て、
2、3回頷くと向こうで待ってる別クラスに行ってしまった。
なんなんだよ。あいつ。
口癖まで真似してんなよ。
“なんとか悪魔くんだっけ?”
“出た。性格悪魔くん”
健太が行った曖昧な言葉と
麻美の言葉が勝手にリンクした。
くそ…。
リレー前だって言うのに、
麻美が気になってしょうがなかった。
気付くと午前中よりも人がわらわら集まっていた。
うわー。
この感じ…
やなんだよね…。
女子が男子を眺めてはキャーキャー騒ぎ、
男子が女子をチラ見してはひそひそと…。
うるせぇやつらだよな。ほんと。
「おいっ!!小南、早く来いよ!!」
潤平が呼んでる…。
ため息をついて、俺は立ち上がった。
「…まっ頑張るしかねぇなぁ」
「あぁ?なんだぁ。やる気が感じられないぞ!?死ぬ気で走れよ」
あーそう。
“死ぬ気”ね。
人ってそんなに“死ぬ気”になんてなれねぇもんだよ?
「小南…?」
「だーもー!わかったから。大声出すなよ」
潤平、健太よりもめんどくせぇ…。
「おーい、慶ちゃん?」
「…………」
こいつはまた、噂をすると必ず来るんだよなぁ…。
「健太、一発だけいい?」
「やめろよ。大事な顔なんだからさ」
「そんなん、傷できても綺麗でもかわんねぇよ」
「ひっでぇよなぁ。毎回毎回。なんだっけか?……“なんとか悪魔くん”だっけ?」
「だぁほ。いい加減にしろ。お前もリレー出るなら早く向こう行けよ」
健太が楽しそうに俺を見て、
2、3回頷くと向こうで待ってる別クラスに行ってしまった。
なんなんだよ。あいつ。
口癖まで真似してんなよ。
“なんとか悪魔くんだっけ?”
“出た。性格悪魔くん”
健太が行った曖昧な言葉と
麻美の言葉が勝手にリンクした。
くそ…。
リレー前だって言うのに、
麻美が気になってしょうがなかった。