壊れた御守り
第5章 麻美のバトン
〔なぁ、岡田のクラス、5走者女らしいぜ〕
ん?
麻美の話?
〔らしいな。“あの”浅野らしいよ〕
“あの”?
“あの”ってなんだよ。
校舎裏で屯してる男子の集団が、ひそひそ話していた。
〔楽勝じゃね!?俺も5走目なんだけど〕
〔マジで走んなよ。不登校の奴に本気とか、マジカッコ悪ぃからさ〕
下品に笑い転げるやつらに、俺は嫌悪感を覚えた。
「おぃ。お前ら…」
「あ?…って、なんだ小南かよ」
「お前、アンカーだろ?大変だよなぁ。問題児がいるクラスは…」
“問題児”。
「…てめぇらが言ってんなよ」
「え?なんて?」
「何にも知らないくせに、勝手なこと言ってんじゃねぇよ!!」
不登校なんかじゃねぇよ。
問題児なんかじゃねぇよ。
あいつは…
あいつはさ…。
「は?小南、どうしたんだよ」
「最近のお前、おかしいぞ」
おかしい?俺が?
何がおかしい?
麻美の必死の思いが踏みにじられてるのを
黙ってみてられない俺はおかしい?
なぁ。
ここでつい手が出てしまった俺は
間違ってたかな?
ん?
麻美の話?
〔らしいな。“あの”浅野らしいよ〕
“あの”?
“あの”ってなんだよ。
校舎裏で屯してる男子の集団が、ひそひそ話していた。
〔楽勝じゃね!?俺も5走目なんだけど〕
〔マジで走んなよ。不登校の奴に本気とか、マジカッコ悪ぃからさ〕
下品に笑い転げるやつらに、俺は嫌悪感を覚えた。
「おぃ。お前ら…」
「あ?…って、なんだ小南かよ」
「お前、アンカーだろ?大変だよなぁ。問題児がいるクラスは…」
“問題児”。
「…てめぇらが言ってんなよ」
「え?なんて?」
「何にも知らないくせに、勝手なこと言ってんじゃねぇよ!!」
不登校なんかじゃねぇよ。
問題児なんかじゃねぇよ。
あいつは…
あいつはさ…。
「は?小南、どうしたんだよ」
「最近のお前、おかしいぞ」
おかしい?俺が?
何がおかしい?
麻美の必死の思いが踏みにじられてるのを
黙ってみてられない俺はおかしい?
なぁ。
ここでつい手が出てしまった俺は
間違ってたかな?