壊れた御守り
第6章 麻美or健太
打ち上げが終わってからも、
俺は上の空で。
クラスの雰囲気を壊していた。
「おい、小南。機嫌治さねえとクラスで浮くぞ」
潤平が帰り際にそう言った。
別に。
クラスで浮いてるのなんか初めっからわかってるし。
ただ……。
「慶ちゃん……。すぐ帰る?」
「麻美…」
暗がりの道端で、
後ろから麻美が追いかけてきた。
走ってきたのか?
息が少し上がっていた。
「おまっ!!何無茶してんだ!走ってもし発作が起きたら…」
俺がつい声を荒げて言い掛けると、
言い終える前に麻美が静かに笑った。
「な、なんだよ」
「ううん。ただ、やっぱり優しいなぁって思って…」
「はぁ?なんの話だよ」
麻美が笑って俺を見た。
「だって皆が慶ちゃんのこと、怖いとか無理とか苦手とか。いーっぱい勝手なこと言ってたけど」
なんだそれ。
そこまでだと思わなかった。
柄にもなく若干ショックだ。
「だけど、皆はほんとの慶ちゃんをまだよく分かってないだけなのになって」
「別に…。どう思われようが気になんねぇよ」
「慶ちゃんは優しい人だよ?」
「……」
なんだろ。
この感じ。