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壊れた御守り

第7章 麻美への想い

病室のドアを勢いよくあけると、そこには元気そうな麻美がいた。



「麻美!怪我は?どっか痛むか?」



麻美の白い頬に手をあてると、



麻美はきょとんとした顔を緩めて笑い出した。



えっ?



何?



何で笑ってんの?



麻美をよく見ると、傷なんてどこにもなくて、



なんとなく無事な気がしてきた。



あれ?



「どうしたの?慶ちゃん、なんかお兄ちゃんみたい」



え…?



は?



訳の分からないままぼーっとしていると、後ろから健太が入ってきた。



「慶太。浅野、なんともねぇよ」



「は?だってお前…」




「だから話聞けっていっただろ。浅野は軽い貧血だから点滴打って休んでただけなんだよ」



貧血…。



健太が呆れたようにそう言った。



じゃあ、無事…ってことでいいのか?




なんだ。よかった。



ほっとして麻美をみると、



麻美は俺に気付いてニコッと笑った。


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