テキストサイズ

壊れた御守り

第7章 麻美への想い




部屋の中に、二人きりになる。




俺は麻美のベッドの近くにある椅子に座った。




「ねぇ、慶ちゃん」


「…ん?」




麻美は俺にそっと近づき、俺の傷ついた顔に触れた。





「痛い…よね?ごめんね。慶ちゃん」




「えっ?」




麻美は静かに俺の頬を撫でた。



麻美の手が触れた部分が次第に熱く痺れるようだった。




「麻美…?なんで」




なんで“ごめん”?


俯く麻美。
どうして、そんなふうにそんな顔してそんなこと言うんだよ。



「麻美、なんで謝るんだよ。お前、なんもしてねぇじゃん」


「ううん。違うよ。あたし、慶ちゃんを傷つけた」



「そんなこと…」



「だって!!あたしがいなかったら、あの時健太くんと2人だったら、こんな怪我、しなかったのに」




「麻美、違うって…」



「あたしなんかを庇ったから!!」



「麻美!!」



俺が怒鳴るように麻美の言葉を遮る。




麻美がびっくりして口を閉じた。




「麻美、あのさ…」


そう言いかけた時、麻美が俺の左手を優しく握った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ