壊れた御守り
第7章 麻美への想い
「麻美…?」
麻美の手が震えてる。
麻美、泣いてる?
「…怖かった」
「え?」
「怖かったの」
そう、麻美は言う度に俺の手を強く握った。
「慶ちゃんが…死ん…じゃったらどうしようって…あたし…」
俺を、心配してくれてた?
俺が死ぬと思って責任を感じてた?
なんで…。
「よかった…ほんとに、無事でよかった…ぁ」
ふと、俺の手に熱いものが落ちた。
ポタポタ、それは次第に増えていく。
「ありがとう…守ってくれて…死なないでくれて」
麻美は死に敏感だ。
“死なないでくれてありがとう”
そんな麻美だからこそ出た言葉。
不安にさせたのは俺。
俺が麻美を傷つけた?
「麻美…大丈夫だから。もう泣くな?」
俺はそっと涙を拭った。