壊れた御守り
第7章 麻美への想い
体中がズキズキ痛む。
だけど俺は顔に出さないように踏ん張った。
麻美に悟られないように。
彼女を不安にさせないように。
「慶ちゃん…大丈夫?」
「ん?や、全然痛くねぇ。なんともねぇし。だから心配すんな」
俺は精一杯笑った。
病院を出て、暖かい日差しの中を2人並んで歩く。
ていうか俺、カバンも財布も健太の待つ病室に置いてきた。
あるのはケータイだけで、
麻美を送り届けてからどうするかな…。
今頃、健太探してっかな?
やばいよな。病院抜け出すとか。
「着いちゃった…」
気づくと麻美が呟いていて、顔をあげると麻美の住む家の前に立っていた。
「麻美、ちゃんと飯食って、明日は落ち着いたら学校行けよ?無理はぜってぇしないこと」
俺がそう言うと、麻美は不安そうな顔をした。
「どした?」
「慶ちゃんは…どうするの?」
「俺は大丈夫。ちゃんと戻るから。だからお前は自分のことだけ考えろ。な?」
俺がそう言うと、麻美は小さく頷いた。