壊れた御守り
第7章 麻美への想い
麻美が家の中に入るのを見届けてから、俺は来た道を歩き出した。
1人での帰り道は、さっきまでとは違くて、
別な町にいるみたいだった。
痛ぇ…。
さっきまでは我慢出来たのに、
今になって激痛が体中を襲った。
くそっ。
やっぱ点滴はずしたのがまずかったかな。
何してんだ。俺。
なんで麻美のためにこんなに…。
「慶太!!」
前から走ってくる健太が見えた。
健太、やっぱり探してたか…。
「おぅ、健太。どーした?」
「どうしたじゃねぇよ!お前、病院抜け出して何してんだよ!?浅野は?」
「別にいーだろ。こーして帰ろうとしてんだから」
俺はあえておどけてみせた。
なんか、俺、おかしくて
こうでもしないと俺じゃなくなるような気がしてしょうがなかった。
「慶太…」
「麻美と散歩してきた。つぅかデート?悪ぃな。お前に約束してたのにな」
「慶太!!」