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壊れた御守り

第7章 麻美への想い



健太が怒鳴る。




なんだよ。俺がデートなんて言ったから怒ってんのか?




「何怒ってんだよ。デートじゃねぇよ。お前と約束したじゃん」




俺がそう言うと、健太が俺の胸ぐらをつかんだ。



「馬鹿みてえに遠慮してんじゃねぇよ!!」



「離せよ。健太…」




「何かあったらどうすんだよ!!安静にしてろよ」




「離せ…健太」




「それに…お前はさぁ!!」








「健太!!」







今度は俺が怒鳴る。




「離せ。腕、痛ぇから」




「あ…悪ぃ。つい」




健太はびっくりしてぱっと手を離した。



「なぁ、疲れたし、体痛ぇから座んねぇ?」



俺はそう言うと近くの公園のベンチに腰掛けた。



健太が黙ってついてきて、俺の横に座った。



「あーあー。痛ぇなぁ」




わざと、大袈裟にそんなことを言う。




ふと、健太が口を開いた。



「慶太…」




「…なんだよ」






「ごめん」




“ごめん”




なんの“ごめん”?




健太のごめんは何なんだ?



俺が口を開こうとした時、健太が続けるように言った。




「忘れろ」




は?



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