壊れた御守り
第8章 告白と夢
それからの3日間はものすごく暇で、
脱走癖のある俺は常に看護士に監視される状態だった。
そんな初の入院生活を終えて、俺はやっと学校に行けるようになった。
教室に入ると、クラスの奴らが俺を取り巻く。
-ねぇ、それ痛いの?-
痛ぇに決まってんだろ!!
-なぁ、取材とか来たりしたのか?-
来るわけねぇじゃん。こんな田舎で起きた事件なんてさ。
久しぶりの学校は何か疲れた。
俺は取り囲む奴らをかき分けて、ちょこんと隣に座ってる麻美に近づいた。
「麻美。おはよ」
「おはよう…」
あれ?
なんか元気ない…?
まだ体調悪いとか?
「麻美…?」
「あ、ごめん。あたしちょっと購買に行ってくる」
行っちゃった。
俺がぼけーっとみていると、誰かがボソッと言った。
「浅野さん、ここ3日間ずっとああだよね」
え?
「俺らも思った!なーんか思い詰めてるっていうか…」
思い詰めてる?
何を?
「あっ、どうしたの小南くん」
「悪ぃ。行ってくる」
俺が立ち上がってそう言うと、
みんなが騒ぎ出した。
「やっぱりあの2人って…」
「マジで?小南やるなぁ」
それらを背中に受けながら、俺は急いで廊下を走った。