壊れた御守り
第10章 プレゼント
俺が医大を目指すって言う噂が学校中に広がった。
なんでみんな驚くんだよって言いたくなるくらい、
みんなの反応は大袈裟だった。
「おぃ、小南。お前ほんとに医大受けるのか?」
「あぁ。まぁ一応」
ある日の放課後、俺は職員室に呼ばれていた。
「悪ガキだったお前に、一体何があったんだよ」
「おぃ、教師が生徒をからかうなよ」
あーうぜぇ。
なんなんだよ。
悪ぃかよ。俺が医者目指すって言うのは。
「まぁ、わからないことがあったらいつでも聞け。以上!」
そんだけかよ…。
俺は職員室を出て学校を出た。
最近、麻美のとこに行けてねぇなぁ…。
電話やメールは毎日するけど、麻美に会いにこないでって言われてからは
ちょっとしか行っていなかった。
その分、家に帰って勉強をする。
いつの間にかそんな習慣が身についていた。
自分でもびっくりだよ。
こんなに、何かに必死に向き合ったのは初めてかもしれない。
そんなふうに思い始めた時、
俺にとっていい知らせが入った。
「小南が定期テストで学年1位取ったって聞いた!?」
ある晴れた日、俺は一枚の紙を手にして走っていた。