壊れた御守り
第10章 プレゼント
「麻美!!」
病室のドアを勢いよく開ける。
「け、慶ちゃん…!?」
「麻美!これ!!ちょっ…これ見ろよ!!」
びっくりした麻美に俺は手にしていた紙を広げて見せた。
「慶ちゃん、これって…」
「そっ!見ろ!!学年1位!すごくね?」
興奮がおさまらない。今までビリから数えた方が早かったはずなのに
勉強頑張ったら学年1位って…。
すげぇ…。
これが、“約束”の力?
俺が喜びを隠せないでいると、麻美はにっこり笑った。
「すごいよ、慶ちゃん!どうしたの?頑張ったんだね。おめでとう!」
麻美は、自分のことのように一緒になって喜んでくれた。
このテストは、医大受験の前の小さな試練だった。
なんか、俺いけそうかも…。
そう思っていると、麻美が静かにこう言った。
「ねぇ、慶ちゃん」
「ん?」
「宝探し、しない?」