壊れた御守り
第10章 プレゼント
「宝探し?」
「うん。実は今日、慶ちゃんを呼ぼうと思ってたの」
麻美は笑ってそう言った。
「俺を?」
「うん。だから、慶ちゃんから来てくれたから、伝わったのかな~って、ちょっとびっくりした」
そうだったのか…。
や、俺はただ単にこのテストのことを教えようと思っただけだけど
まさか、“宝探し”をするために呼ばれるなんて…。
俺はベッドの横にある椅子に座った。
日差しがとても強い。
カーテンを少し閉めると、ちょうどいい日のつよさになった。
「嫌…?」
「いや、全然いいけど…病院で?」
まさか、病院じゃないよな?
こんなとこでそんなんしたら
俺、不審者扱いされそうだし…。
「違うよー。場所はいろいろ!スタートはここだけど」
麻美は悪戯っぽく俺を見つめて言った。
「よし!!テストも終わったし、付き合ってやるよ!!」
俺が返事を返すと、麻美は笑顔になって
俺に一枚の手紙を渡した。
「その紙がスタートだよ」
俺は手紙を受け取って中身を確認した。
「頑張って見つけてね?ここで待ってるから」
俺は麻美がそう言ったのを合図に、病室を飛び出した。